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モニュメント

牛尾啓三氏インタビュー

50年後、100年後の人たちへ
メッセージが届くモニュメントでありたい

 
 私の中で彫刻と結びつく最初の記憶は、実は小野市なのです。高校時代の校外学習で浄土寺を訪れた際に聞いた仏像の話が、今の仕事のヒントになっています。
 その出会いから30余年を経た2003年、小野市の市民文化の発展を形作る機会をいただきました。私が作品のテーマとしているメビウスの輪をモチーフに、エクラから夢が飛翔し成長する様子と、市民と行政の協働と調和、2 つをイメージしたモニュメントです。

 当時、子どもたちにも大人の方々にも「目で触れるだけではなく、手でも触れて欲しい」という願いを込めて制作したモニュメント。再びそのメッセージを実現させるためのオファーをいただいた時、私は飛び上がるほどうれしかったのです。なぜなら、このモニュメントの持つ発信性が、今も風化していないことが分かったからでした。現代の生活では、子どもたちが自然の素材に触れる機会がほとんどありません。直火も、小川の水も身近にはなく、遊具やおもちゃはプラスチック、遊びはデジタルが中心です。そこに感性が育つはずがないのです。遊具のようにモニュメントに登って遊ぶことで、石という自然素材が持つ冷たさや、ほっこりとした温もりを体感する機会にしてほしい。一方、大人の方にはモニュメントを背景に、同窓会や結婚式、イベントのステージとして使っていただくことで、気持ちが高まる刺激を受け取っていただきたいと思っています。こうして市民の皆さんに受け入れられてかわいがっていただき、生活の一部やまちの風景として存在することになってこそパブリックアートであり、同時にそれがモニュメントの成長した姿でもあります。
 小野市には、世界につながっている産業がたくさんあります。一方、このモニュメントも「兄弟」と呼ぶべき同じメビウス造形の作品が、北はアイスランドから南はニュージーランドまで、海外15カ国に存在し、世界につながっています。小野市の産業が経済の国際化の中にいるとするなら、小野のまちはモニュメントを通して文化の国際化の中にいます。このモニュメントの存在は、小野のまちが世界の中の小野市なのだというメッセージでもあるのです。
 生活の中に芸術文化が溶け込んでいるまちは、自分たちのアイデンティティを持つまちです。このモニュメントがこれからも成長を続けながら、エクラの歴史、ひいては小野市の歴史を、市民の皆さんと共に飾ってくれることを願っています。
[聞き手/ ライター 内橋麻衣子]
牛尾啓三氏HP
「夢・飛翔」&「夢 Kaidan」 制作プロセス

フォトギャラリー

「夢・飛翔」&「夢 Kaidan」は、直接モニュメントに触れることができるほか、結婚式などのステージや撮影スポットとしてもご利用いただけます。さらに“モニュメントライトアップ”として、金曜と土曜は7色に色が移り変わり、日中とは違った幻想的な雰囲気でご覧になれます。(※通常は電球色)


牛尾啓三氏の彫刻作品 in エクラ